旬のある暮らしvol.1:酵素シロップ作家・杉本雅代さんに聞く「旬」の魅力

アートディレクターであり、酵素シロップのワークショップ講師としても活躍中の杉本雅代さん。季節の果物やハーブを使った酵素シロップ作りを熟知する杉本さんに、「旬の魅力」を伺いました。

お話を伺った方

杉本雅代さん Masayo Sugimoto
アートディレクターとして、ブランドの立ち上げやPR、プロダクトデザインなどを手掛ける一方、酵素シロップ作家としても活躍。2011年以降、酵素シロップ教室を各地で開催し話題に。 著書に『手作り酵素シロップ』(文化出版局)などがある。

おいしくて体によいものを

―― おうち時間が増えたことや、健康への意識が一段と高まったことで、改めて酵素シロップが注目されています。

杉本さんそうですね。酵素シロップは、季節の果物や野菜、ハーブなどに砂糖を加えて、自然の発酵菌や常在菌の力で発酵させて作る発酵食品の一つです。

―― 杉本さんは、酵素シロップを作る時には旬の果物や野菜を使うことが大切だと提唱されています。どうしてですか?

杉本さんもともと酵素シロップは、「おいしくて体によいものを作りたい」と思って始めました。それには新鮮で、栄養価も高い旬の食材がぴったりです。自然の摂理はうまくできていて、旬の食材というのはその時、体が欲しがっているものなんです。暑さで疲れる夏は、クエン酸たっぷりの梅のジュースが飲みたくなったり、寒い冬は体を温めるりんごが食べたくなったり。

―― 確かに、冬は夏ほどトマトを食べたい気にはなりませんものね。

杉本さんええ。それに、旬ではない食材で酵素シロップを作ろうとしても発酵力が弱く、あまりうまくできません。やはり旬の食材には生命力があるんですね。

畑を始めて変わったこと

杉本さん実は私、昨年10月から畑を始めたんです。もともとハーブはプランターで育てていたんですが、コロナ禍をきっかけに、自分で野菜を育ててみようと。

―― へー、それはすごい!

杉本さん畑を始めて、旬がより身近になりました。じゃがいもを育てようと思ったら、いつ植えたらいいのかなと調べますよね。旬を逃すと大きく育たないので。自分で興味を持って調べるから、ものすごく身に付くんです。人参もスーパーには年中あるけれど、旬は4~7月と10~12月の年2回なんだな、とか。とても勉強になっています。

―― ご自身で野菜を育てるようになって、作る料理にも変化はありましたか?

杉本さんはい。やはり新鮮なものを、素材の味を生かしてなるべくシンプルに食べたいと思うようになりました。自分で育てた人参は、葉っぱまで元気で、おいしく食べられます。冷蔵庫に入れておいても長持ちしますし、やはり旬のものには生命力があるんだなと感じますよね。

杉本さんの畑で採れた野菜やハーブたち。左から順に、かぶ、人参、バジル、ハイビスカスの実。

お茶にも旬がある!?

―― 杉本さんには、ルピシアの店舗でおととし開催したワークショップに、講師としてお越しいただいたんですよね。

杉本さんはい、とても楽しいイベントでした。私、もともとコーヒー派だったのですが、ルピシアさんとのワークショップがきっかけで、ずいぶんお茶を飲むようになったんですよ。紅茶も日本茶もハーブティーも、色々と飲んでいます。

―― それは嬉しいです!

杉本さんお茶はバリエーションが豊富なので、毎日変えられるのがいいですね。今日は喉がカラカラだからごくごく飲めるのがいいなとか、今日はお腹の調子が悪いからやさしい味わいにしようとか。そんな風に選べるようになりました。

―― すっかり生活に溶け込んでいるのですね。ところで杉本さんは、お茶にも旬があるのをご存じですか?

杉本さんええ、そうなんですか!? お茶って発酵させたり、乾燥させているものだから、なんとなく旬とはかけ離れたイメージでした。でも確かに、春になると「新茶の季節」といいますものね。

―― はい。日本茶の旬は春の新茶シーズンですが、例えばダージリンティーは、年に3回も旬があったりするんですよ。

杉本さんへ―面白い! お茶にも旬があると知ると、どんな味か意識して飲んでみたくなります。

2019年にルピシアの店舗で行ったワークショップの様子。

旬を知ると楽しくなる

―― 杉本さんの暮らしの中で、旬とはどんな存在ですか?

杉本さん楽しみの一つですよね。もうすぐアスパラガスの季節だなとか、もう少ししたら枝豆が来るなとか。新たまねぎも、新じゃがいもも、春しか食べられないからわくわくする。新茶も同じですよね。逆に、もうすぐシーズンが終わると思うと、逃したくないから「今食べなきゃ!」と思う。食材の旬を知ることは、生活が楽しくなるきっかけになるのではないでしょうか。

―― 確かに、今しかないからこそ、楽しみ尽くしたくなりますものね。

杉本さんそうそう。しかも「今食べたい」と思うのは、体が自然と求めているから。そういう体の声に気づけるためにも、健康な体でいないといけない。やっぱり「自然」って、いろんなことが全部つながっているのだと思います。

レモンと生姜の酵素シロップを作ってみよう!

これからの季節、旬のニルギリ紅茶に入れて楽しむのにぴったりの酵素シロップを、杉本さんに教えていただきました。紅茶に入れるほか、炭酸で割ったり、ヨーグルトにかけたり、みりんや砂糖の代わりに料理に使うのもおすすめです。

【用意するもの】
手が入る口の大きさの保存容器(金属以外のもの。2Lの保存ビンがおすすめ)
※事前に洗って軽く水気を拭き取っておく

【材料】(2Lビンの場合)
・レモン…4個
・生姜…300g
・上白糖…材料の1.1倍

以下はお好みで
・ブラックペッパー(ホール)…10粒
・カルダモン…3粒
・クローブ…6個
・ローリエ…1枚
・ミントの葉…4~5枚

【仕込み方】

  1. 材料を水で洗ってふきんなどで優しく水分を拭き取る。
  2. レモンの皮をむく。
  3. 全ての材料の重さを測り、その1.1倍の砂糖を用意する。
  4. レモン、生姜はそれぞれ5mm〜1cmの輪切りにする。
  5. カットした材料とスパイス、ハーブを、砂糖と交互にビンにつめる。
    ※一番下と一番上は砂糖になるように重ねていくのがポイント。
    ※レモンやスパイス、ハーブは好きな順番に入れてOKです。
    ※レモンの層は3〜4段が目安です。
  6. 軽く蓋をして完成!
    ※密閉しないように蓋をしましょう(虫が入らないようガーゼやキッチンペーパーを輪ゴムでとめるのもおすすめ)。

【育て方】

  • 置く場所を決める(直射日光が当たらない、清潔な場所に置く)。
  • パッキンを外して蓋をする(密閉せずに育てる)。
  • 清潔な手、またはヘラなどで毎日混ぜる(手で混ぜる場合は肘あたりまで石鹸でよく洗う)。
    ※1日1回、約50回混ぜる(砂糖は3日以内に溶かすのがポイント)。
  • 泡がぶくぶく出てきたら完成!
    ※発酵までの期間は春と秋で10日~2週間、夏は約1週間、冬は2~3週間が目安。
    〈発酵のサイン〉 泡が出てくるほか、シロップが少し温かく感じたり、果物が浮いてきたりしたら、出来上がり。
  • ザルや晒しなどできれいに漉し、ビンなどに移し替える(密閉しないこと!)。
  • 出来上がりから、およそ3ヶ月以内にお召し上がりください。

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