【旅する世界のティータイム vol.1】 紅茶大国イギリスで愛される「クリームティー」とは?

「ブック オブ ティー・ボン ヴォワヤージュ」のティーバッグに描かれた世界各地の風景や文化。それぞれの国に、その国ならではのお茶の時間があるのをご存じですか?

今回の舞台は世界に名だたる紅茶好きの国・イギリス。どの家庭でも気軽に親しまれるクリームティー文化を、イギリス・ケンブリッジ在住のライターがレポートします。

【レポートしてくれた方】

Haruna Takimoto
イギリス人の夫と日本で出会い2014年に渡英。現役保育士として活動する傍ら、オンラインにて日本の子どもたちに英語を教えている。

寝ても覚めても紅茶!

私はイギリスに住んで約6年になります。こちらに住み始めたばかりのころ、一番驚いたのはイギリス人の紅茶を飲む回数。なんと、1日に平均で一人当たり4~5杯もの紅茶が飲まれているそうです。私自身、職場の同僚が数時間おきに「Cuppa?(Cup of tea?の略で、紅茶飲む?の意味)」と紅茶をいれてくれるので、当初は慣れなくてお腹がタプタプになってしまったことも。

またイギリスには、自分の好き嫌いを伝える言葉の一つに「It’s my cup of tea.(それ私の好み!)」や「It’s not my cup of tea.(私の趣味じゃないわ)」といったフレーズがあります。自分の飲む紅茶にかなりのこだわりを持つ、イギリス人ならではの表現です。

イギリスの紅茶文化「クリームティー」とは?

イギリスの紅茶文化というと、伝統的なアフタヌーンティーをイメージする方が多いのではないでしょうか?3段重ねのスタンドに、マカロンやサンドイッチ、ケーキやスコーンが並べられ、紅茶と一緒に味わいます。イギリスの人びとにとってアフタヌーンティーは、誕生日やお祝い事など、親しい人と大切な時間に楽しむ特別なものです。

それに対して、もっと気軽に楽しまれているのが、今回ご紹介するクリームティー。といっても、クリーム入りの紅茶を飲むわけではありません。クリームティーとは、スコーンと紅茶のセットのこと。クロテッドクリームというとても濃厚なクリームが必ずセットに付いていて、それをスコーンに塗って食べることからクリームティーと呼ばれるようになりました。

日本ではあまり馴染みのないクロテッドクリームですが、スコーンとの相性は抜群!糸を引くほど濃厚ですが、甘さが無いので、一緒に付いてくるジャムの甘さを引き立ててつい何度も塗り直してしまうくらいのおいしさです。

クリームティーは値段もアフタヌーンティーに比べると手頃で、どこのお店でも1200円程度。アフタヌーンティーのように食べる作法や時間も気にせず楽しめるので、私たちイギリス庶民の午後のティータイムに欠かせません。ちょっと小腹の空いた午後にぴったりなので、お店だけでなく、イギリス家庭の日常にも当たり前のように溶け込んでいます。

紅茶といえばミルクティー

もちろん、クリームティーに無くてはならないのが、おいしい紅茶です。イギリスには、家庭に1台は必ず電子ケトルが常備されていて、「Let’s put the kettle on!(ケトルのスイッチを入れましょう)」の掛け声が聞こえたら、「紅茶を飲みましょう!」の合図。あまりに飲む頻度が高いことから、家庭で日常的に使われているのはティーバッグですが、クリームティーなどの時には新鮮な茶葉で紅茶をいれます。

クリームティーのお供に飲まれるのは、今も昔も変わらずほとんどがミルクティー。「イングリッシュ ブレックファスト」の名前で親しまれるミルクティー向きの紅茶や、爽やかな「アールグレイ」が王道です。

ただ、近年は健康を気遣う人も増え、少しずつ飲み方にも変化が出ています。最近ポピュラーなのが、牛乳ではなく豆乳やオーツミルク、アーモンドミルクやヘーゼルナッツミルクなど、自分の好みに合わせてミルクを選ぶスタイル。カフェでも必ず、何種類かのミルクが用意されています。また、カフェインを控えている方にはルイボスも人気。特にオーツミルクとの相性がとてもよいのでおすすめです。

おうち時間にクリームティーを!

おうち時間が増えた今、多くのイギリス人が家庭でクリームティーを楽しんでいます。家族の時間を大切にするイギリスでは、お気に入りのカップやポットを用意して、大切な時間を共有します。砂糖は小さじ2杯とか、ミルクはほんの少しだけ、紅茶は濃いめが好きなど、家族みんながそれぞれの好みを把握していたり、各家庭に代々伝わるスコーンのレシピがあったり……。クリームティーは、その家庭の味やつながりを表すのにも欠かせない文化です。

皆さんもぜひ、おうち時間でクリームティーを試してみませんか。イギリスの日常に飛び込んだような気分になれるかもしれません!


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