台湾烏龍茶 極上の「緑の烏龍茶(ウーロンチャ)」

台湾烏龍茶(タイワンウーロンチャ):「緑の烏龍茶」、「清香(ルビ:チンシャン)」などと呼ばれる爽やかな風味と香気、エメラルドや翡翠(ルビ:ひすい)を思わせる青々とした茶葉の台湾茶をご紹介します。

台湾烏龍茶とは

台湾は、沖縄のさらに南に位置する亜熱帯の島ですが、標高2千メートルという冷涼な高山地帯のお茶どころもあり、季節によって様々なお茶が作られています。中部の南投県が代表産地で、最初に凍頂烏龍が世界的に有名になり、続いて標高千メートル以上の高地の原生林を切り開いて作られるようになった高山茶が評価を高めてきました。

お茶発祥の地、中国の一般的な烏龍茶の水色(すいしょく:カップに注いだときの色み)が茶色く焙煎を含めた風味と香気を味わうものであるのに対し、特に現代の台湾茶の主流は「緑の烏龍茶」、「清香(チンシャン)」などと呼ばれる爽やかな風味と香気、エメラルドや翡翠(ひすい)を思わせる青々とした茶葉の仕上げが特徴です。

台湾地図

台湾烏龍茶の旬

台湾烏龍茶の旬

年間を通じて作られる台湾烏龍茶は、それぞれの季節によって香りや味わいが様々。お気に入りを探してみてください。

  • 春茶

    4~5月頃に収穫した新芽で作る春摘み茶は、日本の新茶に相当します。芽吹いた新芽の中には寒い冬の間、茶樹の成長を止めて体内にたっぷりと蓄えていた栄養分や香気成分がぎゅっと凝縮されているので、春摘み茶はひときわ爽やかな香り立ちになります。

  • 冬茶

    春茶と並んで人気が高く、生産量も少ない希少な季節の味わいです。低温の中ゆっくりと成長した茶葉に凝縮された甘みや香りはバランスに優れ、高貴な余韻が広がります。

  • 早春茶

    台湾茶の愛好家から珍重されているプレミアム品のひとつが早春茶です。2月下旬~3月にわずかに芽吹いた茶葉で作られる繊細な風味をお届けします。青く透き通った爽やかな味わいです。

台湾烏龍茶の種類

一口に台湾茶といっても、その種類は様々。主要な銘柄と歴史的な産地をご紹介します。

高山茶(コウザンチャ)

生産地 : 嘉義県阿里山郷、台中県和平郷(梨山)、南投県竹山鎮(杉林渓)など各地標高1000m以上の高地で生産され、高山特有の寒暖差のある空気の中で霧を通した太陽光を浴びゆっくり育まれます。爽やかで滑らかな風味と、上品な香気が楽しめます。

文山包種(ブンザンホウシュ)

生産地 : 台北県坪林郷古くは花茶として知られていた文山包種。20 世紀初頭に品種改良などの技術革新で、茶葉だけで自然に花のような香りをかもすことに成功。瑞々しくも爽やかな風味が人気です。包種の名称は、輸出向け茶葉として、包装紙に丁寧に包まれて出荷されていた歴史に由来します。

凍頂烏龍(トウチョウウーロン)

生産地 : 南投県鹿谷郷19 世紀半ばに福建省武夷山から移植した 32 本の茶樹が起源といわれ、当時は茶葉を丸めないで仕上げていました。現在では台湾茶の代名詞的な銘茶として知られます。

東方美人(トウホウビジン)

生産地:新竹県北埔郷、苗栗県頭莉ス鎮など18 世紀から 20 世紀半ばにかけて台湾烏龍茶の名称で世界を席巻した、紅茶に似た紅色の水色と、たぐいまれな香気を持つ歴史的な銘茶。そのルーツは中国福建省武夷山から 1810 年頃に移植された茶樹だといわれています。

金萱(キンセン)・翠玉(スイギョク)・四季春(シキシュン)などの新品種

生産地 : 南投県名間郷など各地1980 年代以降の台湾茶の躍進を支えたのが、新品種の登場でした。台茶 12 号(金萱)や 13 号(翠玉)、自然交配から誕生した四季春など、香気に優れた新品種が次々と登場。それぞれ伝統的な青心烏龍と異なる、果実のような新鮮な風味が特徴です。

台湾烏龍茶と茶器

台湾には伝統的に親しまれている茶器があります。工夫(クンプー)茶器は、かわいらしい小さな茶器のセットで、何煎も楽しめる台湾茶ならではの茶器です。

いろいろな種類があって、なんとなく難しそう……と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、使ってみると意外に簡単。小さな茶壺(ちゃふう)に茶葉と熱湯を入れ、茶海(ちゃかい)に注ぎ切ったら、茶杯(ちゃはい)に注ぎ分ける……。
丁寧にお茶をいれると日常が少し特別な日に変わるようです。

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万能茶器・蓋碗(がいわん)

台湾茶をもっと楽しむなら、ぜひおすすめしたいのが蓋碗。蓋碗は茶杯としてだけではなく、急須としても使うことができる、手軽かつ本格的な万能茶器です。

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