和の色を装う ルピシアの秋のお茶

ルピシアだより 2020.9 WEB限定

澄み渡る秋晴れが爽やかな季節。萩、桔梗、コスモスなどが初秋を飾り、やがて野山を赤く染める紅葉が秋の深まりを伝えます。今年の「ルピシアの秋のお茶」は、人々を魅了する日本の美しい四季の中などで見出された「日本の伝統色」をまといます。

「日本人の美の心が生み出した色」

日本では古くから暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出してきました。「伝統色」とは、日本特有の文化や伝統、四季の移ろいの中で名づけられ愛されてきた色を指します。その名前もとても情緒があり美しいものばかり。多くは季節ごとに見られる風景から発想を得ています。例えば「桜色」のように花や草木のような自然のものから、「抹茶色」のように食べ物を表したものまで。伝統色は人々の生活や文化の中に深く息づき歴史を重ねてきました。

「時代を映す色」

一言で「伝統色」と言っても、その色調にはそれぞれの時代の美意識が反映されています。例えば、艶やかで優雅な貴族文化が印象的な平安時代。王朝の女房装束「十二単(じゅうにひとえ)」は、当時の女性たちの繊細な美的感覚で組み合わせた配色で幾重にも色を組み合わせていました。

これらは「襲色目(かさねいろめ)」といわれ春夏秋冬ごとに、重ねる色の組み合わせを変えることで、それぞれの季節を表現していました。また、同じ「紅葉」を表現する襲色でも、「紅紅葉(くれないもみじ)」「青紅葉(あおもみじ)」「初紅葉(はつもみじ)」など、その種類は数多くあります。重ねる色の繊細な違いで、様々な樹々による紅葉を表すことができました。

江戸時代になり、一般庶民にも、こうした色彩感覚が広まると、町は豊かな色彩にあふれ、大衆の嗜好を反映する「流行色」も数多く誕生しました。

「お茶と色で季節を楽しむ」

人々の営みの中で誕生した和の色。今や数えられるだけでも300色ほどあると言われています。そして、中には日本の染織の色に由来しているものも多くあります。染織文化もまた、伝統色と同じく、日本人の華やかで繊細な感性が感じられます。「ルピシアの秋のお茶」は、伝統色をモチーフとしたデザインに染織物のイメージを重ねることで、その魅力をより際立たせています。美しい秋をまとったお茶で、季節のたよりを感じてください。


「秋のお茶」を飾る美しい色を、生活や文化に根付いたエピソードとともにご紹介します。

韓紅花韓紅花(からくれない)

アジアやエジプトを原産地とするキク科の植物「紅花」の染色による鮮やかな紅赤色です。「紅」はこの染料が呉の国から日本に渡ってきたことを伝える「呉藍(くれない)」という言葉が変化したものです。江戸時代の紅花は金に匹敵するほど高価なもので、濃く深く染められた韓紅花は人々の憧れの色でした。

緋緋(ひ/あけ)

緋は目の覚めるような鮮やかな赤を指す色名です。和名「あけ」は日や火の色を指すことから「火色」と書かれることもあります。中世の鎧、戦国武将の陣羽織、歌舞伎舞台の緋毛氈(ひもうせん)など、染法の変化につれ、色調も鮮やかな赤へと変化しました。

藤黄藤黄(とうおう)

藤黄はインドシナ半島やタイに生育する熱帯常緑樹の樹木を傷つけ、その傷口から採取した樹液を固めた透明感のある植物性の色の原料です。日本画、浮世絵の黄色絵具や工芸品塗色として珍重されていました。身近なところでは、バイオリンの塗装着色に使われています。

黄檗(きはだ)

山地に自生する落葉高木の、内皮の煎汁と灰汁で染めた鮮麗な黄色を指します。これで紙を染めると虫食いを防ぐ効果があり、飛鳥時代から写経用の染紙に使われていました。黄檗の煎汁は染料の他に、腹痛薬や傷薬としても飲用されていました。

紺(こん)

紺は中国古来の染色名で、その名称と色調がそのまま日本に伝わったとされています。藍染の最も濃い色を指し、中国の黒に近い色の色名である「紺」の字があてられました。紺色は大衆的な常用色として広く定着し、藍染を専業とする職人も多く、人々は衣服などの材料の布や糸の染色を「紺屋」と呼ばれる専業者に頼んでいました。

紅鬱金(べにうこん)

下染めを鬱金で濃いめに染めた上に、赤色を淡くかけた、鮮やかな黄色みのある橙(だいだい)色のことです。曲げ物や弓の巻に用いられた樺桜の樹皮の色から名づけられた染色の色名です。

栗皮色(くりかわいろ)

茶系の代表的な色の名前です。栗の皮のような暗い赤褐色を指します。赤みがかった茶色には、昔から栗の皮の色の名前が使われてきました。「栗皮茶」「栗」色とも呼ばれます。茶色の毛並みの馬のことを栗毛と呼ぶ習慣は、中世の軍記物語からみられました。

青丹(あおに)

青丹とは、青粘土のような暗く鈍い黄緑色のことです。「丹」は土を意味し、緑みのある土の色を指しています。『万葉集』でうたわれる「青丹よし寧楽(なら)の京師(みやこ)は咲く花の~」の「青丹」は、寧楽=奈良にかかる枕詞で、平城京の色彩美をたたえています。

舛花色(ますはないろ)

江戸後期の人気役者、五代市川團十郎が好んで用いた色で、少し淡い灰よりの青色をさします。「舛」は市川家の家紋、「花色」は古くから知られた藍染めの色名「縹色(はなだ)」の別名で、つまり市川家所有の縹色を意味しています。通の人の間で評判を呼び、当時の服色の流行に影響を与えました。

蒸栗色(むしくりいろ)

蒸した栗の中身のような緑がかった淡い黄色を指します。栗のつく色名は、栗の実の皮のような灰みの茶色で「栗皮色」や、赤みの明るい栗色の「栗梅」などがありますが、蒸栗色は炊き立ての栗ごはんのおいしそうな栗の実の色です。

参考文献:『新版 日本の伝統色-その色名と色調-』(長崎盛輝/青幻舎)
『日本の伝統色』(PIE International)

本物の紅葉(もみじ)をブレンド

紅葉狩り 50gデザイン缶入

林檎や杏の香りの紅茶を、鮮やかな紅葉で彩りました。甘酸っぱさと爽やかさが織りなす、しなやかで洗練された秋限定の味わい。

金木犀(きんもくせい)が甘く優雅に香る

月に咲く 40gデザイン缶入

月に咲く花とも伝えられる、あでやかなキンモクセイの花びらを紅茶にたっぷりとブレンド。甘くかぐわしい香りに包まれます。

ほっこり懐かしい香り

栗 50gデザイン缶入

ほっこりする栗の香りの緑茶にドライマロンを加えました。優しい栗の香りとすっきりした緑茶の甘く懐かしいハーモニーをどうぞ。


秋限定のお茶をおともに、彩り豊かな季節を楽しみませんか?